オススメ海外コミックス『わたしが「軽さ」を取り戻すまで』

作:カトリーヌ・ムリス
訳:大西愛子
発行:花伝社
発売:共栄書房

拭い去れない心の傷を芸術によって癒そうとする道程


テロ事件で同僚を喪った作者が、そのトラウマを癒やしていこうともがく物語。

シャルリエブド襲撃事件。
日本人には馴染みが少ないかもしれないが、2015年パリで風刺新聞社シャルリエブドをイスラム過激派のテロリストが襲撃し、10人以上の死者が出た。

偶然にも危ういところで難を逃れた作者は、拭い去れない心の傷を負う。

なぜこのようなことがおきたのか、事件で亡くなった同僚たちと心の中で対話する。

そして芸術や文学に沈潜していく。

作者の文学、芸術に対する造詣の深さは目を見張るものがある。
絵柄はとてもコミカルだが、たまにあらわれる水彩画の色合いがとても心に沁み、事件後のトラウマにもがく作者の姿がにじみ出ているようにすら思える。

書肆喫茶mori~海外コミックスのブックカフェ

大阪・谷町六丁目にある、日本では数少ない海外コミックスのブックカフェです。 日本語訳されたバンド・デシネ(フランス語圏のマンガ)やグラフィックノベルなどを取り揃えています。 美しい色彩、斬新なビジュアル・デザイン、多様な文化にもとづくストーリー……日本のマンガとは一味違った海外コミックスの世界に触れてみませんか。

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